住宅取得の資金計画

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住宅取得の資金計画


住宅ローンの資金計画をする際に、多くの人がまず参考にするものといえば、その住宅のチラシなどに載っている「提携ローンでの返済例」などではないでしょうか。

「金利が1%程度で、しかも頭金ゼロでローンを組んだ返済例を見ても、今の家賃よりむしろ安くなるくらい。これなら返済できる!」と、返済に自信を持つ人もいるでしょう。ですがその住宅チラシの返済例は、あくまで「もっとも返済負担が軽い最初の数年間」を切り出しただけのものです。

提携ローンのほとんどは、最初の「超低金利」が適用される期間が3年程度。どれだけ長くても5年でしょう。その後は金利がドンと上がります。そしてもっと悪質なケースの場合、本当はボーナス返済も併用している返済例なのに、そのボーナス返済金額をごくごく小さな字で書いて、「月々の負担が軽い」ということだけを前面に押し出しているような記述をしている住宅チラシもあるのです。

ですから、こうした住宅チラシに掲載されている提携ローン返済例をもとに資金計画を立てるというのは、「もっとも甘い見立てでの資金計画」となってしまいやすいので、やめたほうがいいでしょう。

資金計画をしっかり立てるには、最低でも以下のようなところを注意しておく必要があります。

・最初の数年だけでなく、その住宅ローンの借り入れ全期間の返済シミュレーションをとり、返済負担が増えるところからの家計を考えましょう。
・子どもの教育資金など、負担が増える期間の返済はやっていけそうかどうかをチェック。
・持ち家は固定資産税や将来のリフォームなど維持費もかかってきます。住宅ローンを返済しつつ、これらの維持費を捻出できるかどうかも見てみましょう。

こうして見ると「厳しいことを言うなあ」と思われるかもしれませんが、住宅ローンの返済というのは、とても長期間にわたるものですから、その中でやってくる「一番返済が厳しい時期」も乗り越えないといけないというわけです。それまで真面目に住宅ローン返済を続けてきて、「厳しい時期だけが乗り切れなかった」がために、返済できなくなって家を手放す・・・などといったことになっては、どうしようもありませんから。

また、住宅ローンの資金計画といえば「自己資金をどれだけ用意できるか」というのも大きなポイントになってきます。これはもちろん、「自己資金を多くすることで住宅ローンの借り入れ額を減らせる」というのも大きいのですが、それ以上に「きちんと計画的に資金を貯められるだけの金銭感覚がある」ということが大きいのです。

賃貸住まいで家賃を支払いながらも、それとは別に頭金としてのお金をコツコツと積み立てて自己資金を作ることができる人と、それができなかった人とでは、「家賃支払い+積立分の余裕」があるかないかの差があります。

ですから、やはり将来的に「住宅ローン返済の苦しさの感じ方」というのも大きく違ってくるというわけなのです。

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